構えた銃口の先に見えるもの――「CANAAN」 制作:P.A.works
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2009/10/21
- メディア: Blu-ray
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まずもって、428のカナン編(型月編)の続編のアニメ化なので、428本編を期待するのは間違い。マリアのキャラクタも、アルファルドのキャラクタも全然違う。とくにアルファルドに関しては428の凄みを期待しては肩透かしを食らう。ま、この辺りはカナン編をやっていれば想像がつくところだけど。
それを差し置いてもちょっと物足りない。序盤はカナンのアクションを魅せつけて期待を持たせたが、後半になってくるに従って、物語への引き込みかたが足りなかった。
わかりやすいのはアルファルドの立ち位置。リャン・チーの存在感ばかりが高まり、アルファルドの存在感がいつまでたっても発揮されない。アルファルドが存在感を発揮するのはラスト二話まで持ち越しとなってしまっている。
あとは共感覚に頼っているからという演出なんだろうけれども、カナンがあまり喋らない御陰で共感を得にくくなっているのが残念。それに伴い、マリアがどうしてあれだけカナンを慕う理由もみえにくくなっている。
アルファルドは全面に出せばもっとキャラクタが出ただろうし、カナンも描きかたの問題が大きいだろうから残念。御法川、マリア、サンタナ、ハッコーと魅力的なキャラクタがいっぱいいたので、もっとおもしろくなっていたはず。
特にハッコーとリャン・チーの対峙のシーンの絶望感は凄まじかったし、それ以降のハッコーや御法川の描きかたも素晴らしかった。作品でいえば、ここがクライマックスになるのかなと思います。
最後の最後まできっちり締めて、カナンとアルファルドの対決にもいちおうの決着をつけ、ああいうエンディングはありきたりではありながら、悪くないのかなと思います。CANAANという物語のなかで、御法川、マリアがいた理由がはっきり出ていますので。
ああいうのを描く作品はたくさんあるんだろうけれどもハッコーとリャン・チーの対決はトラウマになりそう。アルファルドファンとしては彼女の活躍をもっとみたかった。続編に期待はしているけれど、難しいかな。