すべての仕事は無料でいいのではないのだろうか

 最近の若者は日本の文化を殺そうとしているのではないかを読んだ。
 個人的にはついに来たかという感じ。前に小説を読んでいた時期に、こういう時代がくるだろうと考えていたが、音楽のが先だったか。小説にしても、音楽にしても、かなりシンプルな表現だから、金は要らないという人が(作り手でも、受け手でも)多数存在する可能性ができやすい。
 反面、これがマンガや映像だと、比較的複雑な表現になるので、金や時間がないとできない。おそらくこの二つを無料で見せろという輩はいくら若者のなかでもまだ少ないのではないか。ただ、映像のほうはニコニコがただで映像をばら撒いている所為で危うい面もある*1
 

何故文化的なものにお金を払うことに対して積極的ではないのだろう?
不況もあるとは思うが、そんなこといってたら不況ならば文化は廃れて当然なのか、というお話になってしまう。
なんでだろう?

 問いをするまでもなく、インターネットの影響でしょう。合法、非合法を問わずして、ありとあらゆるものを無料で手に入れられるようになってしまった。彼らは無料で手に入れられるのが、むしろ当然だと思っている。
 更にいまの子どもたちは2chなどを読んで、テレビのランキングに入るような曲が糞だと刷り込まれ、それを出しているavexJASRACなども糞だと思い込まされている*2。ならば、その二つがからまないネットこそ正義と思っていたとしても、なんら不思議ではないと思う。
 社会人になれば、価値観は変わっていくとは思うが、それもどこまで変わるか。案外、変わらないんじゃないかと思ったりもするけれど。
 

  • バレエ、歌舞伎、舞台、オペラなんかはどうなるのか→別にいらない。
  • そうなると美術と芸術とか文化的なものがすたれていくよね?→衰退すればいいんじゃない?

 何、このマリー・アントワネット的暴力(参考:それをマリー・アントワネット的暴力と呼ぶ - 魔王14歳の幸福な電波)。糞ワロタ。彼女たちはマイナーなものを好きになったことがないんだろうな。そして自分の好きなものが他の人からそう思われていることもしらない。一度でもマイナーなものを好きになって、それが潰れていく過程をみたならば、こんなことはいえないもの。
 まぁ、ネットだけしていたら、こんな考えかたにもなるだろうなぁ。作家主体ではなく、作品主体だからってのもあるだろうし。自分の好きなものが永遠に配信され続けていくなんてことがありえないってことをしらないんだなぁ。
 
 書籍とか、音楽とか、その辺りは軒並みダメになっていくような気がする。ネットができたからというのもあるけれど、大人も含めて使うほうの意識の問題。私だって、作品にお金を払うべきだと思うけど、この意見を聞いたときに納得したし、有効な反論をしようと思ったけど、思いつかなかったもの。
 作品にお金を支払わないようになって出てくる問題点はいっぱいあるんだろうけれども、それが顕在化してくるのはまだまだ先でしょう。それこそ無料が当たり前になってから。それまでに問題点に気付くか。これに関してホリエモンの意見を聞いてみたいところ。ネットの風雲児はなんていうんだろうなぁ。
 

*1:MADとかがあるから、それでいいという奴が出てきそうだが、その元になった映像は誰がどうやってつくっているんだ?と聞けば、反論可能。手書きもあるじゃんといわれれば、元ネタはと返す。MADとオリジナルでは創作の難易度は段違いだろうからね。

*2:実際に糞な部分もあるんだけれども、それをきっちりと理解しているかは怪しいところ