竜騎士07ほどに信頼できない語り手はいないと思っている――「うみねこのなく頃に ep1」 制作:竜騎士07

うみねこのなく頃に Episode1 真相解明読本

うみねこのなく頃に Episode1 真相解明読本

 「うみねこのなく頃に ep1」終了。竜騎士07による「ひぐらしのなく頃に」に続く第二弾。
 
ここには「うみねこのなく頃に ep1」及び「ひぐらしのなく頃に」に関するネタばれが含まれている可能性があります。それを了解したかたのみお読みください。
 

 正直、ひぐらしを読んだ後だと、ミステリ読者としては真面目に推理する気にはなれないのだけれども。それでも、辛うじてでも推理しないと楽しさ半減どころの話じゃないので、推理してみる。理由はあとでも書くけれど、ひぐらしをプレイしたかたならば、わかっていただけるかと。とりあえず全部読まないと意味ないのよね。
 まずもって、本格ミステリ的な解決は期待していない。この密室トリックはこうこうこうやってつくられたものなんだ! へぇーすごーい。みたいなのはまったくもって期待しておりません。まず間違いなく、あれらの密室トリックの解明は棚上げだろうな。
 竜騎士07のミステリ的なおもしろさはそういうところよりも、世界を何個も重ねた上で、さてこれらの世界に共通する点は何か、彼らを助けるためには何が必要なのか、犯人(とおぼしきもの)は誰なのか。を推理するところにある。
 まぁなぁ、それもまだひとつのエピソードを読んだだけでは推論でしかないのも事実なんだよなぁ。パッケージ裏をみるとネタばれな人が何人か載っているし、続きでどんどんどんでん返しが待っているんでしょう。
 とりあえずここでの推論としては、森のなかにベアトリーチェ一味が住んでいて(野宿)、サバイバル生活をしながら、金蔵を監視。ときどき夜中にみつからないように街に船を出して生活していた。それを金蔵からのサインをみて、今回の殺戮に及んだってのがいいところかな。あ、ちなみにベアトリーチェは地底人って設定ね。森に穴があって、その奥深くに住んでいるの。
 と、これは冗談だけれども、これに近いものが実際に正解だったりしそうだから恐ろしい。竜騎士07の場合、正答率0%を目指すと公言している通り、「チェス盤をひっくり返す」どころか、チェスの板自体を持ち上げて駒をぐちゃぐちゃにしたり、チェス盤の上に将棋の駒を置いてチェスのルールで将棋するくらいのことをしそうだからなぁ。
 それにしても、ベアトリーチェを表するときに使われる「“い”る」の「い」って何なんだろうなぁ。居る、住る、棲る、とかとかいろんな感じがあてはまるけど、どれなんだろう。
 おつかれさま会で犯人は人間か、魔女か、18人のなかにいるか、19人目かという議論になってますが、個人的には人間で19人目はいるという推理です。
 理由はまずもってep1をプレイする限りでは18人の誰か一人では不可能。ありうるとすれば、先に島に潜んでいた人の死体と顔面を潰された死体を交換し、死体交換トリックを成立させた上で犯行に望むのみ。それだったら誰か主犯格がいて、外部に協力者がいたと考えるのが自然。19人目がいるならば、別に真里亞を説得しなくてもベアトリーチェと同じ容姿の外国人を探してきたという設定にすれば、すべてが解決する。
 だけれども、これはまんま「ひぐらしのなく頃に」の結末と同じなんだよなぁ。同じ轍を二度踏むとは考えにくいのが難しいところ。
 ちなみにこの結末がファンタジーといってしまったら、すべてミステリが意味をなくしてしまうんだよねぇ。それにこの謎に対して、ミステリ的な解決法がまったくないことを証明するという悪魔の証明にも立ち向かわなくてはならなくなる。
 だって、ミステリ的な解決法があるならば、18人、もしくは19人目の誰かが殺した可能性も未だ残り続けてしまうわけでファンタジーは必ずしも成立しなくなる。
 という悪い考えもあって、ベアトリーチェ説を否定していたりもします。ベアトリーチェに縛りをつけて、そのなかでミステリ的解決法を目指すならばありですが、それはファンタジーといえるのか。まぁ、まだ本編にベアトリーチェ本人が出てきていないのだから、御託は続きをみてからにしましょう。ここからの推理は小手調べ。本当の推理は出題編が終わってから。