マンガ大賞2009の候補作が発表されたので、大賞の予想をしてみたよ
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単巻が多い本屋大賞と違って、マンガ大賞は連載ものが多いから同じものが出揃ってしまうんじゃないかと心配していたのだけれど、その心配は杞憂に終わったみたい。これは選考委員のかたたちが空気を呼んだんだろうな。見事に昨年と連続でのノミネートは「とめはねっ」のみ。ただ、このまま新しい作品ばかりを紹介していくと、作品不足に陥らないかちと心配。
だけど、別の問題もみえてきたみたいだけどな。前回はいろんな出版社からいろんな作品がでてきた印象が強かったけど、今回は三大出版社に固まる事態に。小学館、集英社、講談社以外の出版社から選ばれたのは「3月のライオン」のみ。ここはもうちっといろんな出版社から選んで欲しかったなぁ。
一般参加者からすれば、ノミネートまでのいちばんの楽しみは大賞受賞作の発表ということで、大賞受賞作予想をしてみたい。
個人的に去年予想したときに考えたマンガ大賞ノミネートの条件は以下。
1、既に人気のある作品よりも、これから人気の出るだろう作品
2、完結しているものではなく、まだまだ続きがある作品
3、子どもでも、大人でも楽しめる作品、もしくは大人が楽しめる作品
これは本屋大賞から推測した条件。いずれもこれからマンガ市場が活性化するため、弱いところを補強するために必要なもの。ちなみに私はこれでノミネート作を半分当てました。
これは大賞予想でもあてはまると思っている。ちなみに昨年はこの三条件から大賞予想を「よつばと!」*1に絞ったのだが、正式な受賞は「岳」だった(「よつばと!」は二位)。
ここから考えうるに大賞受賞の条件は以下になるのではないかと。
ここから大賞予想をしてみたい。
去年はまずドラマ、アニメ化作品から外していったのだけれども、今回はそのどちらになっている作品もなし。
まずは前回候補になっている「とめはねっ」、作者の別の作品で候補になっている「ママはテンパリスト」は外れる。既に人気と話題を得ている羽海野チカの「3月のライオン」、去年の年間ランキングの常連だった「聖☆おにいさん」も受賞は難しい。
ここからが難しい。まず週刊少年ジャンプという大看板で連載をしている「トリコ」については、わざわざマンガ大賞をあげる必要が見出せない為*2、外す。
「ちはやふる」については判断が難しい。既に話題になっているし、人気もあると読むか、それともマンガ大賞がきっかけになって話題を生むと考えるか。昨年同じ立ち位置だった「君に届け」が振るわなかったことを考えると、大賞は難しいのではないかと。
残りは残り4作。ちなみにこの4作中3作読んでません*3。「青春少年マガジン1978-1983」については対象読者層が限定されがちで、熱心なマンガ読者向けと捉えられる可能性もあるので弱い。
同じく「深夜食堂」も、同じようなテーマで「孤独のグルメ」という大看板がある上に、食事がテーマなのがどう捉えられるか。でも、ある場所を行き交う人々の人間模様を描いた作品は名作が多いこともまた事実。
「よんでますよ、アザゼルさん。」はギャグマンガということでハードルが高すぎる。ギャグマンガは余程の汎用性を兼ね備えないとマニアックになってしまう。それに「聖☆おにいさん」という大看板を倒してまで、大賞をもぎ取れるかといえば謎。
となれば、「宇宙兄弟」ということになるんだけど、あの主人公の不器用さの描きかたがどう評価されるか。加えて、大人が大人に薦めやすいマンガかといえば、そうではないのもマイナスポイント。どちらかといえば、父親が息子に読ませるマンガかなぁ。
と、一通り全作品をレビューしたところで、候補作予想。
本命:「深夜食堂」 安倍夜郎 著
対抗:「宇宙兄弟」 小山宙哉 著
次点:「ちはやふる」 末次由紀 著
大穴:「3月のライオン」 羽海野チカ 著
あえて「宇宙兄弟」を外して「深夜食堂」を一位に。「宇宙兄弟」はモーニング掲載ということで、既に読んでいる選考委員が多そうなのと、「深夜食堂」はまとめて読むことでおもしろさを再発見する可能性が高いかと。
「ちはやふる」は確かに立ち位置としては去年の「君に届け」と同じなんだけど、ランキングにからんでないことから考えると、「君に届け」よりかはあるかもしれない。
あとは、純粋なおもしろさという意味で、「3月のライオン」を大穴に据えてみた。
まぁ、ざくっと見直しても、この4作のいずれかが受賞する可能性はかなり高いかと。特に「深夜食堂」はネット評を読んでいるだけでも、マンガ大賞向けのような気がする。いろいろマイナスポイントもあるとは思うが、それがどう影響するか。
大賞発表は3月下旬。さて、どういう結果になりますことやら。「深夜食堂」を買ってこよう。