ニコ厨が一般人の彼女にニコニコ動画の世界を軽く紹介するための10本

元ネタ:http://anond.hatelabo.jp/20080721222220
 
 まあ、どのくらいの数のニコ厨がそういう彼女をゲットできるかは別にして、「ニコ厨ではまったくないんだが、しかし自分の映像趣味を肯定的に黙認してくれて、その上で全く知らないニコニコの世界とはなんなのか、ちょっとだけ好奇心持ってる」ような、ニコ厨の都合のいい妄想の中に出てきそうな彼女に、ニコニコのことを紹介するために見せるべき10本を選んでみたいのだけれど。

(要は「脱オタクファッションガイド」の正反対版だな。彼女にニコニコを布教するのではなく相互のコミュニケーションの入口として)

 あくまで「入口」なので、作品世界的に過大な負担を伴う東方、アイマスは避けたい。できれば「涼宮ハルヒの憂鬱」、いっても初音ミク程度にとどめたい。あと、いくらニコニコ的に基礎といってもマニアックすぎるものは避けたい。映画好きが『カリガリ博士』は外せないと言っても、それはちょっとさすがになあ、と思う。そういう感じ。
 
 彼女の設定は

 ニコニコ知識はいわゆる著作権侵害の無断アップロード的なものを除けば、YOUTUBE程度は見ている。サブカル度も低いが、頭はけっこう良い。

という条件で。
 まずは俺的に。出した順番は実質的には意味がない。
 

「メルト」 supercell

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 まあ、いきなりここかよとも思うけれど、「メルト以前」を濃縮しきっていて、「メルト以後」を決定づけたという点では外せないんだよなあ。長さも手ごろだし。
 ただ、ここでオタトーク全開にしてしまうと、彼女との関係が崩れるかも。
 この情報過多な作品について、どれだけさらりと、嫌味にならず濃すぎず、それでいて必要最小限の情報を彼女に伝えられるかということは、オタ側の「真のコミュニケーション能力」の試験としてはいいタスクだろうと思う。
 

「15秒でわかる日本のむかしばなし」「15秒でわかる世界のむかしばなし」

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 アレって典型的な「ニコ厨が考える一般人に受け入れられそうな作品(そうニコ厨が思い込んでいるだけ。実際は全然受け入れられない)」そのものという意見には半分賛成・半分反対なのだけれど、それを彼女にぶつけて確かめてみるには一番よさそうな素材なんじゃないのかな。
 「ニコ厨としてはこの二つは“作品”としていいと思うんだけど、率直に言ってどう?」って。
 

「一人で情熱大陸とかセッションしてみた」 中村イネ

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 ある種のニコニコオタが持ってる音楽への憧憬と、ニコニコ伝統のオタ的な名曲群へのこだわりを
彼女に紹介するという意味ではいいなと思うのと、それに加えていかにもニコニコ的な

「ニコニコ的なおもしろさの追求」を体現する馬ズラ
「ニコニコ的におもしろいツッコミ」を体現するコメント

の二点をはじめとして、ニコ好きのする名曲群を作品にちりばめているのが、紹介してみたい理由。
 

「ハイポーション作ってみた。」 馬犬

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 たぶんこれを見た彼女は「電波少年だよね」と言ってくれるかもしれないが、そこが狙いといえば狙い。
 この系譜の作品が今のテレビではないこと、こういうのが昔のテレビではおもしろかったこと、昔なら人気番組になって、それがブームになったとしてもおかしくはなさそうなのに、今のテレビではこういう番組がつくられないこと、なんかを非オタ彼女と話してみたいかな、という妄想的願望。
 

「男女」 太郎

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「やっぱりニコニコはオタのためのものだよね」という話になったときに、そこで選ぶのは「ウッーウッーウマウマ(゜∀゜)」でもいいのだけれど、そこでこっちを選んだのは、この作品にかける投稿者たちの思いが好きだから。
 ひとつの曲の世界観を他の作品で表現しまくって、それでこれだけって数が、どうしても俺の心をつかんでしまうのは、その「流行にあえてのる」ということへの楽しさがいかにもニコニコ的だなあと思えてしまうから。
 派生作品の多さを俺自身は凄いとは思わないし、もう現れないだろうとは思うけれど、一方でこれがテレビや他の大手サイトだったら出来のいいのだけ選んでしまうだろうとも思う。
 なのに、どれを選んだとしてもそれなりの作品を作ってしまう、というあたり、どうしても「自分の好きな作品を表現することにあきらめきれないニコ厨」としては、たとえ原曲がそういう意図を持たなかったとしても、親近感を禁じ得ない。作品自体の高評価と合わせて、そんなことを彼女に話してみたい。
 

スーパーマリオでウエスタンショー」 ヒャダイン

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 今のニコ厨ヒャダインの作品を見たことのない人はそんなにいないと思うのだけれど、だから紹介してみたい。
 作詞と唄を一人でやっている段階で、投稿する作品数とかクォリティとかはこの人で頂点に達しているともいえて、こういうレベルの曲を一人でアレンジ出来るサイトを彼女に紹介している、というのは、別に俺自身がなんらそこに貢献してなくとも、なんとなくニコニコ動画好きとしては不思議に誇らしいし、いわゆる最新機種の映像の美しさでしかゲームの凄さを知らない彼女には曲の素晴らしさも聴かせてあげたいなと思う。
 

「ナショナルから大切なお知らせとお願いです -真・最終版- 再び」

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 投稿者の「アレンジ」あるいは「ネタづくり」をニコ厨として教えたい、というお節介焼きから見せる、ということではなくて。
 「作品をネタにしながら楽しむ」的な感覚がオタには共通してあるのかなということを感じていて、だからこそこの動画の最後で掛かっている曲はFINAL FANTASY以外ではあり得なかったとも思う。「おもしろい作品にはツッコミみたい」というオタの感覚が今日さらに強まっているとするなら、その「オタクの気分」の源をこの動画は表現しているじゃないか、という、そんな理屈はかけらも口にせずに、単純に楽しんでもらえるかどうかを見てみたい。
 

吉幾三×Capsule×DaftPunk×BeastieBoys StarrySky - IKZOLOGIC Remix -」

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 これは地雷だよなあ。地雷が火を噴くか否か、そこのスリルを味わってみたいなあ。
 こういうコラボ風味の遊び心をこういうかたちでMAD化して、それが非オタに受け入れられるか
 気持ち悪さを誘発するか、というのを見てみたい。
 

組曲『ニコニコ動画』 しも

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 9本まではあっさり決まったんだけど10本目は空白でもいいかな、などと思いつつ、便宜的に組曲『ニコニコ動画』を選んだ。
 「メルト」から始まって組曲『ニコニコ動画』で終わるのもそれなりに収まりはいいだろうし、β以降のニコニコの総まとめとなった作品でもあるし、紹介する価値はあるのだろうけど、もっと他にいい作品がありそうな気もする。
 というわけで、俺のこういう意図にそって、もっといい10本目はこんなのどうよ、というのがあったら教えてください。
 「駄目だこの増田は。俺がちゃんとしたリストを作ってやる」というのは大歓迎。こういう試みそのものに関する意見も聞けたら嬉しい。
  
編集後記:テラ流行遅れといわれても、やってみた。
 唄系の作品をどれだけ紹介するかでかなり迷った。単純に初音ミクや、歌い手の素晴らしさ、おもしろさを伝える作品ならば他にももっとたくさんあるだろうけど、今回は深くではなく、広くいろいろな作品を紹介することにこだわってみた。だから、唄系はかなり絞ってある。
 これをみて、ニコニコの新しい面をみつける人が出てくれば幸い。ちなみにほとんど合計総合マイリストランキングから抜き出しているので、選別的にはかなりの手抜きだったりします。