デジモン10周年記念作品といっても、おそらく誰も驚かないだろう出来栄え――「サマーウォーズ」 監督:細田守
- 作者: ホビー書籍部
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2009/08/20
- メディア: 大型本
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だけども、プロットが少々至らなかった感あり。時かけでは原作で話の骨格があったし、タイムループで複雑になりやすいことから、プロットがしっかりしていた。
だけれども、「サマーウォーズ」では大家族と仮想現実上の戦いというシンプルなものを描きたいということで、プロットがおざなりになってしまっている。具体的にいえばキャラクタの描きかたが物足りない。プロットをしっかりしていれば、いくらキャラ数が多いとはいえ、もっとキャラクタを全面に出して描けていたはず。
主人公も間違えたよなぁ。「サマーウォーズ」の主人公は間違いなくカズマだよ。あんだけ格好いい奴をなんで主人公にしなかったのかは謎。仮想空間上でのカズマの戦いは本当に熱い。夏希は何の為にいたのかわかんないな。もうちっと伏線張って、後半の盛り上げどころに説得力を持たせて欲しかった。
時かけとどちらが好きかは好みがわかれところだけれども、家族がいる人、たくさんの人に囲まれたときの楽しさがわかる人ならば楽しめる作品であるのは確かでしょう。エヴァ・破があることで多少の評価が揺らぐかもしれないが、別の年に出ていれば、その年を代表する傑作になっていたことは間違いないと思う。
これから観にいく人は花札を勉強してから観にいこう。こいこいのルールをわかって観にいくとおもしろさ1.5倍を保障します。
追記:id:n_euler666:20090901:1251815366
完璧な評が出た。作品に対して批判がいろいろ出ているけど、そのすべてを含む評。これを読まずして、偉そうに「サマーウォーズ」を語るべからず。
「サマーウォーズ」関連で偉そうにうだうだいう奴が多くていらいらしていたけれども、ここまできっちりしたのが読めてすっきりした。もうサマーウォーズ関連の記事を読む必要はないなぁ。